一話一言(読み)イチワイチゲン

デジタル大辞泉 「一話一言」の意味・読み・例文・類語

いちわいちげん【一話一言】

江戸後期の随筆。56巻。大田南畝なんぽ著。安永4年(1775)ごろから文政5年(1822)ごろまでに筆者見聞した風俗流行事件天災幕府文書などを書き留めたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「一話一言」の意味・読み・例文・類語

いちわいちげん【一話一言】

  1. 江戸後期の随筆。五六巻(うち六巻欠)。大田南畝著。安永八年(一七七九)から文政三年(一八二〇)ごろにかけての筆。歴史・風俗・自他文事についての、自己の見聞と他書からの抄録を記したもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「一話一言」の意味・わかりやすい解説

一話一言 (いちわいちげん)

江戸後期の随筆。大田南畝作。1775-1822年(安永4-文政5)に執筆。56巻。内閣文庫蔵の自筆は6巻欠けているが,1~3巻の抄録と8,33巻は活字本(48巻と補遺9巻)に入り,原巻40のみ散逸。形式は聞書,抄録,所感,記録など,内容は歴史,伝記,風俗,出来事,見聞記など興味の赴くままに多岐多彩なので江戸随筆の代表と見られ,生前すでに愛読者があり,写本が作られた。《日本随筆大成》別巻所収
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「一話一言」の意味・わかりやすい解説

一話一言
いちわいちげん

大田南畝(なんぽ)(蜀山人(しょくさんじん))の随筆、抄録。自筆原本56巻は6巻散逸したが、諸写本を編成した活字本の補足により、かなり復原されている(巻40は欠)。20代から70代までの幕臣の勤務、文人の生活、旺盛(おうせい)な読書力と広範な知識欲などを反映して、内容は多彩かつ豊富な好読み物なので、生前から借覧希望が多く、写本も多数つくられた。南畝随筆のなかでの代表であり、またいわゆる江戸随筆の流行を促した典型的随筆である。

[浜田義一郎]

『『日本随筆大成』別巻1~6(1959・吉川弘文館)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一話一言」の意味・わかりやすい解説

一話一言
いちわいちげん

江戸時代後期の随筆。大田南畝著。 50巻。安永8 (1779) 年起稿,文政3 (1820) 年成立。南畝の随筆だけでなく,諸書,記録類の抄出を多く含む。著者の幅広い学識がうかがわれる書。

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