一部(読み)いちぶ

精選版 日本国語大辞典 「一部」の意味・読み・例文・類語

いち‐ぶ【一部】

〘名〙
書物の数え方。ひとそろい。ひと組。また、一冊
延喜式(927)序「併省両式、削成一部
※源氏(1001‐14頃)若菜下「法花経一部づつ供養せさせ給ひ」 〔世説新語補‐文学・上〕
② 平曲の全曲。
※看聞御記‐応永二六年(1419)二月二二日「調一検校等参。一部可申云々」
全体の中のある部分一部分。⇔全部
郵便報知新聞‐明治二五年(1892)七月二一日「小石川砲兵工廠の東部なる一部は〈略〉平岡工場に貸付け」 〔後漢書‐劉盆子伝〕
④ 旧教育制度で、師範学校の第一部。高等小学校を卒業して入学する部。⇔二部
⑤ 大学で、夜間部に対して昼の部をいう。⇔二部

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デジタル大辞泉 「一部」の意味・読み・例文・類語

いち‐ぶ【一部】

全体の中のある部分。一部分。「一部反対派」「長編一部割愛する」⇔全部
書物や新聞などのひとまとまり、ひとそろい。また、書物の一冊。
高校・大学などで、夜間部を指す二部に対して昼間部のこと。
[類語]部分一部分局所局部箇所かしょところ部位細部断片一端いったん一斑いっぱん一節いっせつくだりパートセクション

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日本歴史地名大系 「一部」の解説

一部
いちぶ

[現在地名]生月町壱部免など

中世からみえる生月島の地名。正平二一年(一三六六)八月二二日の宇久・有河住人等連署置文案(青方文書)に署名がみえる授は、永徳四年(一三八四)二月二三日の下松浦住人等一揆契諾状案(同文書)にみえる「いちふ大和守授」と同一人物の可能性があり、当地を拠点とする者があか(現新魚目町)の網代をめぐる相論について採決に参加し、また松浦一帯の武士による一揆に加わっている。なお同日の下松浦一族一揆契諾状(山代文書)には「いきつきの一ふん大和守」とみえる。永享六年(一四三四)生月の加藤景明は宇久基と通じて平戸松浦芳を襲撃、これに生月の山田氏・一部氏らが連合して白狐山びやつこざん(現平戸市)を包囲したという(「松浦家世伝」など)

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