万事休す(読み)バンジキュウス

デジタル大辞泉 「万事休す」の意味・読み・例文・類語

万事ばんじきゅう

《「宋史」荊南高氏世家から》もはや施す手段がなく、万策尽きる。もはやおしまいで、何をしてもだめだという場合に使う。
[補説]「万事窮す」と書くのは誤り。

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精選版 日本国語大辞典 「万事休す」の意味・読み・例文・類語

ばんじ【万事】=休(きゅう)す[=休(や)む]

(「休す」はやむの意)
① もう施すべき手段がなく、すべて終わりである。何事も全く見込みがない。
※南郭先生文集‐初編(1727)三・春日偶作十首「雲夢昔年遊、雄風万事休」
読本椿説弓張月(1807‐11)拾遺「三寸息絶れば、万事休(バンジキウ)す」 〔宋史‐荊南高氏世家〕
俗世間のことからすべて退く。
※両足院本山谷抄(1500頃)一五「何とまり召還されたらば万事休して」
四河入海(17C前)二五「陶言は、富貴は非吾願、只郷里に帰去て、万事休するぞ」

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故事成語を知る辞典 「万事休す」の解説

万事休す

もうそれ以上、できることがなくなること。すべてが終わりになること。

[使用例] 面倒をいといさえしなければ……闘うつもりになりさえすれば……まだまだ万事休したというわけではないのである[安部公房*砂の女|1962]

[由来] 七世紀、唐王朝の時代の初めごろから、中国の詩によく使われている表現。たとえば、しんせんという詩人作品では、都から遠く離れた土地へと左遷されていく際の気持ちを、「せられて一身在り、平生、万事休す(自分一人だけが見捨てられてしまい、日常生活でも、もうすべては終わってしまった)」とうたっています。

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