デジタル大辞泉
「万葉調」の意味・読み・例文・類語
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まんよう‐ちょう マンエフテウ【万葉調】
〘名〙
歌論で、「万葉集」の特徴的な歌のよみぶりやしらべをいう。
古今調や
新古今調に対して、実感が切実・
直截(ちょくせつ)に表現され、素朴・雄渾で格調が高いことを「万葉集」の特徴として捉えたもの。このしらべの歌を詠んだ
歌人には、
中世の
源実朝、
近世の
賀茂真淵・
良寛などがあり、特に真淵は古今調の「たおやめぶり」に対し「ますらおぶり」と称した。明治時代になって
正岡子規によって賞揚され、
歌壇に大きな影響を与えた。万葉振り。
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万葉調
まんようちょう
『万葉集』の歌全般を通じて特色となっている調べ。狭義には韻律に限っていわれることもあるが,一般には表現,内容と関連づけて論じられることが多い。おおむね素朴,雄大,重厚,明朗,直截などの語をもって説明されるが,賀茂真淵が『古今集』以後の「たをやめぶり」に対して「ますらをぶり」と評したのは有名。万葉調の意識は後世の歌人などの万葉復古の過程から生じたものである。万葉調歌人として鎌倉時代の源実朝,江戸時代の賀茂真淵,田安宗武,楫取魚彦 (かとりなひこ) ,村田春海,良寛,生田万,平賀元義らがあり,明治になってからは正岡子規が万葉調の復活を唱え,以来伊藤左千夫,島木赤彦,斎藤茂吉ら『アララギ』派の歌人が万葉調の歌をつくり,歌壇の一大勢力となった。
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