三隅(読み)さんぐう

精選版 日本国語大辞典 「三隅」の意味・読み・例文・類語

さん‐ぐう【三隅】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「論語‐述而」の「挙一隅、不三隅則不復也」から ) 四すみのうち三つのすみ。転じて、一部分を知ることによって、他の大部分をも理解すること。また、その大部分。
    1. [初出の実例]「一言未だ挙げざる先に、三隅(さんグウ)高察も候はん歟」(出典太平記(14C後)三九)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三隅」の意味・わかりやすい解説

三隅(山口県)
みすみ

山口県北部、大津郡にあった旧町名(三隅町(ちょう))。現在は長門市(ながとし)の東部を占める地域。東は萩(はぎ)市に接し、日本海仙崎湾に入る三隅川の流域を占める。旧三隅町は、1942年(昭和17)町制施行。2005年(平成17)長門市と合併。国道191号とJR山陰本線が通じる。東西に延びる三隅谷は平地に恵まれ、『和名抄(わみょうしょう)』の三隅郷の地、三隅駅家(うまや)の置かれた所。旧町時代には役場が置かれ、現在は長門市役所三隅総合支所のある三隅中(なか)は近世の北浦街道に沿う宿駅市場町として発達。農林業が主産業で、稲作のほか、畜産や施設園芸も行われている。仙崎湾岸野波瀬(のばせ)はタイ、ブリ、ウニ漁獲が多い。三隅出身の洋画家香月泰男(かづきやすお)の作品を展示した香月泰男美術館がある。

三浦 肇]

『『三隅町の歴史と民俗』(1973・三隅町)』


三隅(島根県)
みすみ

島根県西部、那賀郡(なかぐん)にあった旧町名(三隅町(ちょう))。現在は浜田市南西部を占める地域。日本海に臨み、南部は益田(ますだ)市に接する。旧三隅町は、1927年(昭和2)三隅、西隅(にしずみ)の2村が合併して町制施行。1955年(昭和30)黒沢、岡見、三保(みほ)の3村、および井野(いの)・大麻(たいま)2村の一部と合併。2005年(平成17)浜田市に合併。JR山陰本線、国道9号が通じる。中世は豪族三隅氏の居城があった。三隅川流域に耕地が開け、米作などが行われ、ユリ、ナツミカン、西条ガキを特産する。一本釣りなどの沿岸漁業もある。石州(せきしゅう)半紙の製造技術は国の重要無形文化財に指定されている。推定樹齢600年以上の大平(おおひら)桜は国指定天然記念物。三隅公園はツツジ、ショウブ、梅の名所。三隅川に御部(おんべ)ダムがあり、ダム湖は「みやび湖」とよばれている。

[野本晃史]

『『三隅町誌』(1971・三隅町)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三隅」の意味・わかりやすい解説

三隅
みすみ

山口県北西部,長門市東部の旧町域。仙崎湾に臨む。 1942年町制。 2005年長門市,日置町,油谷町の1市2町と合体して長門市となった。中心市街地三隅中 (みすみなか) は市場町として発展。大部分は丘陵地で,三隅川の流域では米,野菜,果樹の栽培が行なわれる。野波瀬,幸島では漁業が行なわれ,かまぼこを特産。三隅下 (みすみしも) にある村田清風旧宅および墓は国の史跡に指定。湯免温泉があり,海岸部は北長門海岸国定公園に属する。

三隅
みすみ

島根県西部,浜田市西部の旧町域。日本海に臨む。 1927年町制。 1955年三保村,岡見村,黒沢村の3村,井野村,大麻村の一部と合体。 2005年浜田市,金城町,町,弥栄村の4市町村と合体して浜田市となる。古代の三隅郷で,中世は三隅氏の城下町であった。米作のほか沿岸部の三保,岡見では漁業が行なわれる。三隅川はアユ釣りで知られる。国の重要無形文化財に指定されている石州半紙を特産。樹齢 650年といわれる三隅大平ザクラは国指定の天然記念物。

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改訂新版 世界大百科事典 「三隅」の意味・わかりやすい解説

三隅(島根) (みすみ)


三隅(山口) (みすみ)

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