デジタル大辞泉
「下下」の意味・読み・例文・類語
げ‐げ【下下】
1 身分の低い者。しもじも。〈日葡〉
2 非常に劣っていること。下の下。
「―の下の客と言はれん花の宿/越人」〈曠野〉
3 しもじもの者の履物。わら草履。
「馬にも乗らず、―をはき」〈平家・九〉
した‐じた【下下】
1 身分の低い人々。また、役人でない、一般の人々。しもじも。
2 配下の人々。部下。奉公人。
「―に微塵姿を見せ給はぬ娘達にも」〈浮・禁短気・三〉
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げ‐げ【下下】
〘名〙
① しもじもの人。身分の低い人たち。しもじも。〔名語記(1275)〕
※
滑稽本・八笑人(1820‐49)五「今おめへの双
(なら)べた一一の所は、いづれも
下々(ゲゲ)の者の這入る所だから」
※
狂歌・
吾吟我集(1649)三「うつくしきむくげの花にくらべては下々
(ゲゲ)とや見まし色もなき草」
※
文明開化(1873‐74)〈
加藤祐一〉初「あたまをむき出しにしておくは、世界中の下下
(ゲゲ)の下国の人のする事で」
③ (しもじものはく履物の意から) わらぞうり。金剛ぞうり。
※平家(13C前)九「馬にものらずけけをはき、
弓杖をついて」
④
下郎。下僕。ぞうり取り。〔
随筆・嬉遊笑覧(1830)〕
した‐じた【下下】
〘名〙
① 身分の卑しい人たち。
下層階級の人々。また、官に属する身分の高い人々に対して、一般の人々。庶民。しもじも。したかた。⇔
うえうえ。
※玉塵抄(1563)四「下情はいやしい者したしたの者の心と云ことぞ」
※思出の記(1900‐01)〈
徳富蘆花〉一「尤も是迄勉強せい、
下賤(シタジタ)の小供と一所に遊ぶな、などと折々叱られたことがあったので」
※天草版金句集(1593)「Xitajitaua(シタジタワ) シュジンノ スキコノム コトヲ マナブ モノ ヂャ」
③ (形動) 劣っていること。
下位であること。また、そのさま。〔
日葡辞書(1603‐04)〕
しも‐じも【下下】
〘名〙 地位や身分などの低い人々。下層の人々。一般庶民。また、その
社会。しもざま。すえずえ。したじた。⇔
うえうえ。
※玉塵抄(1563)一二「位にある人たちの、物をむさぶり、欲心ふかうして、年貢ふしんをゆえもなうましてとるほどに、下(しモ)々わざわいがでくるぞ」
げ‐さげ【下下】
〘名〙 (
多く「に」を伴って副詞的に用いる)
相手を見下げること。見くだすこと。
※
咄本・正直咄大鑑(1687)白「さきさまを成程いんぎんにゆふて、をれをげさげにこそいふものなれ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報