下墨(読み)さげすむ

精選版 日本国語大辞典 「下墨」の意味・読み・例文・類語

さげ‐す・む【下墨】

〘他マ四〙 (「さげすみ(下墨)」を活用させた語)
① 下げ墨をする。柱などの傾きをしらべる。
七十一番職人歌合(1500頃か)一番「おし直す工もいさやすみがねにさけすむ月のかたぶきにけり」
人物物事をおしはかる。推量する。〔日葡辞書(1603‐04)〕
仮名草子仁勢物語(1639‐40頃)下「さるに、かの鵜師いでてさげすみけるやう、『家見のはじめに、ただ何をか参らすべき』」
※骨ぬすみ(1899)〈広津柳浪〉九「五作の笑調子が如何にも下墨(サゲス)む様に聞こえたので」
[語誌]①の意から転じて人物などを評価することをもいうようになった。さらに判断した結果マイナスの評価をすることから「さげすむ(蔑・)」の語が成立した。

さげ‐すみ【下墨】

〘名〙 (「さげずみ」とも)
大工が柱などの曲がりを測るために、墨縄を垂直に下げて見定めること。垂準。さげしみ。〔塵芥(1510‐50頃)〕
② 物をおしはかること。推量。さげしみ。
※日葡辞書(1603‐04)「Saguesumiuo(サゲスミヲ) スル〈訳〉推量、推測をする」

さげ‐しみ【下墨】

〘名〙 =さげすみ(下墨)〔文明本節用集(室町中)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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