デジタル大辞泉
「不安の文学」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ふあん【不安】 の 文学(ぶんがく)
一九三〇年代、満州事変後ナルプ(
日本プロレタリア作家同盟)解散前後にかけて急激に高まった社会不安と中間層知識人の精神的危機を反映して流行した文学上の傾向。また、その傾向の作品。昭和八年(
一九三三)三木清の
評論「不安の
思想とその
超克」に始まり、シェストフの「悲劇の哲学」の訳出によって促進された。
小林秀雄、河上徹太郎らの評論、阿部知二の「冬の宿」、
北条民雄の「
いのちの初夜」などの
小説に
顕著。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報