並び大名(読み)ナラビダイミョウ

デジタル大辞泉 「並び大名」の意味・読み・例文・類語

ならび‐だいみょう〔‐ダイミヤウ〕【並び大名】

歌舞伎で、大名扮装をして、ただ並んでいるだけの役。また、それに扮した俳優
人数に加わっているだけで、あまり重要ではない人。「並び大名にすぎない役員

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「並び大名」の意味・わかりやすい解説

並び大名
ならびだいみょう

歌舞伎(かぶき)の役の一種。舞台の後方へ大ぜい居並ぶ大名の役をいう。背景のような役目をもち、劇の進行中は一定の形でじっとしているのが原則。『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』の大序(だいじょ)、『曽我(そが)の対面』など例は多い。「並び傾城(けいせい)」「並び腰元」なども同様の用語。転じて、ただ座っているだけで何もしない人をさす一般語に使われる。

[松井俊諭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android