知恵蔵2010の解説
南北関係が支配、搾取、不平等など、非対称的な結び付きによって特徴付けられていることに着目した概念。国連貿易開発会議(UNCTAD)の事務局長だったR.プレビッシュが、1960年にラテン・アメリカの低開発を説明するモデルとして提起。鉱物、資源、農作物、加工度の低い製品などを輸出する周辺は、中心が利潤を吸い上げるため、悪化する一次産品の交易条件の下で、経済的不安定と低開発に追い込まれる、と主張した。北側で支配的な「遅れた南」という見方に対し、南は北からの浸透を受けて自立的な発展を妨げられた結果「低開発化された」のだという歴史観を背景に、南の研究者や民衆に対する説得力を持った。現在、政治学・社会学でも非対称性を表現する概念として広く使われる。また、中心と周辺の中間項として準周辺(semi-periphery)という概念を用いる考え方もある。70年代以降の新興工業経済地域(NIES)や今日のBRICsがこれに当たる。またノルウェーの平和研究者J.ガルトゥングは、周辺には、中心と利害が一致し、中心の利益を周辺において貫いていく周辺の中の中心が存在し、周辺の中の周辺を抑圧しているとして、構造の複合性を指摘した。
(
坂本義和東京大学名誉教授/
中村研一北海道大学教授
)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2008」
デジタル大辞泉の解説
ちゅう‐しん【中心】
1 まんなか。中央。「町の―に公民館がある」「地域の―」
2 物事の集中する場所。また、最も重要な位置にある物や人。また、その位置。「―となって組織をとりしきる」「政治経済の―をなす」
3 心のなか。心中。胸中。
4 重心のこと。「うまく―をとって歩く」
5
①円周上・球面上のすべての点から等距離にある点。
②図形が点対称であるときの、その点。
[類語](1)真ん中・真ん真ん中・ど真ん中・中央・正中(せいちゅう)・中点・心(しん)・センター/(2)主(しゅ)・軸(じく)・要(かなめ)・柱(はしら)・中軸・枢軸・主軸・主体・主力・基幹・根幹・中枢・中核・核・コア・核心・焦点・目玉・核心・基軸・心臓・髄・基本
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