朝日日本歴史人物事典 「中村覚」の解説
中村覚
生年:安政1.2.20(1854.3.18)
明治大正期の陸軍軍人。彦根藩士中村千太夫の次男。5男小林謙五は海軍中将。明治5(1872)年教導団に入り,8年陸軍少尉。10年陸軍中尉に進み,名古屋鎮台から西南戦争に出征,武勲をたてた。日清戦争(1894~95)中は大本営侍従武官。戦後東部都督部参謀長,台湾総督府陸軍幕僚参謀長を経て,日露戦争(1904~05)が勃発すると歩兵第2旅団長として出征,旅順攻囲戦で戦う。松樹山攻撃に際し白襷隊の指揮官を務め,抜刀してロシア軍に突入し負傷,猛勇振りが両軍に知られる。のち侍従武官長,関東都督などを歴任,大正4(1915)年大将。
(田中宏巳)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報