動物の消化管の一部で、前腸と後腸に挟まれた部分。脊椎(せきつい)動物では発生学の用語でやはり中腸とよばれる部分に由来し、十二指腸と小腸を含み、とくに養分の吸収の点で主要な役割を果たす。また、肝臓や膵臓(すいぞう)がここに開口する。無脊椎動物では中腸の定義はしばしばあいまいで、多くの場合に内胚葉(ないはいよう)起源の消化管を中腸と総称するが、とくに消化吸収機能の著しい腸の中心部分をさすこともある。軟体動物や節足動物の中腸(胃を含む)には、中腸腺(せん)とよばれる主要な消化腺が付随していて、消化酵素を胃に分泌する。中腸腺にはときに肝膵臓の名が与えられるが、形態的にも機能的にも肝臓、膵臓とは異なっている。
[八杉貞雄]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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