日本歴史地名大系 「久居古窯跡群」の解説
久居古窯跡群
ひさいこようせきぐん
[現在地名]久居市藤ヶ丘町 藤ヶ丘団地
久居市北部に広がる丘陵地に接した標高約三〇メートル、水田との比高約一五メートルの独立残丘（通称吉江高地）の南側斜面に築かれた古窯跡群。全四基の古窯跡の所在が確認されており、そのうち三号窯は昭和三八年（一九六三）に、二号・四号窯は昭和四三年に発掘調査が実施されている。三号窯は丘陵斜面に約二〇度の傾斜で溝を掘り、天井をかけた半地下式の窖窯で、長さ八・五メートル、内部の高さ一・二メートル、焚口幅一・一メートル、焼成部中央幅一・六メートル、煙道部幅〇・七メートルを測る。調査時においては天井部の一部が残存しており、窯内や灰原からは須恵器片や埴輪片が出土した。二号・四号窯はかろうじて残った灰原部分のみの発掘調査であったが、二号窯からは一八器形二四種類、四号窯では一九器形二八種類の遺物が確認された。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報