ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「二段階革命論」の意味・わかりやすい解説
二段階革命論
にだんかいかくめいろん
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…昭和初期の国家論争の中でマルクス主義用語として登場し,社会科学用語として定着した日本独特の君主制を指す用語。狭義には明治維新から第2次大戦での敗戦までの近代天皇制を指すが,広義には古代天皇制,戦後の象徴天皇制なども含まれる。また,天皇制は単に国家権力概念としてだけでなく,イデオロギー,社会秩序,精神構造を含む概念として使用されることがある。ここでは近代天皇制について述べる。
【明治期の天皇制】
[政治機構・機能]
幕末の欧米列強の圧力による開港後,日本は資本主義化と中央集権的国民国家の形成が課題となったが,それを担う市民階級の形成が不十分だったため,武士階級内部の改革派によって維新の政治変革が行われた。…
…1920年代後半から30年代におけるマルクス主義陣営内の論争。革命戦略,日本資本主義の特質,天皇制権力の階級的性格,地主的土地所有の本質,明治維新の歴史的性格などをめぐって議論がたたかわされた。第2次大戦前日本社会科学界最大の論争。論争は1927年ごろから約10年間にわたって続いたが,これを二つの時期に区分できる。第1期は1927‐32年で戦略論争または民主革命論争の時期,第2期は1933‐37年で,資本主義論争または封建論争の時期として要約できる。…
…したがって日本では,社会主義革命の前に,まずブルジョア民主主義革命が,したがって絶対主義的天皇制の転覆こそが進められねばならない,と。これがいわゆる〈二段階革命論〉であったが,それが日本共産党のいわゆる〈32年テーゼ〉とぴったりと一致することは,周知のことがらであった。 これに対して,雑誌《労農》に結集した山川均,猪俣津南雄,向坂逸郎(1897‐1985),大内兵衛,櫛田民蔵,土屋喬雄(1896‐1988)らの学者は,総じて労農派と呼ばれたが,彼らはほぼ次のように主張した。…
…
[革命理論]
マルクス主義の核心の一つは,当然にその革命理論である。たとえば19世紀ドイツのような後進国の場合,マルクスの革命理論はしばしば〈二段階革命論〉といわれる。すなわち〈ドイツ的みじめさ〉というマルクスの規定が示しているように,ドイツには中世的・封建的な要素と近代的要素が混在し雑居している。…
※「二段階革命論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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