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…学業なるや瓜連に帰り,1378年(天授4∥永和4)了実から法脈を相承,ついで常福寺に住した。当時,浄土宗が他宗から独立した宗派とみられていなかったことを嘆き,述作,講学に努め,また宗義の相承に五重相伝の法を定め,伝法制度を確立した。1415年(応永22)弟子聖聡の請により江戸小石川に移って小庵を結び,この地で没した。…
… 室町時代に入って,名越派は北関東から東北に,藤田派もまた東北に勢力をのばし,白旗派は関東を地盤としていた。白旗派の聖冏(しようげい)は,浄土宗が独立した宗派と認められていない状況を遺憾として,浄土宗に宗脈・戒脈の相承があることを明かし,五重相伝の法を定め,浄土宗の僧侶となるには必ず宗戒両脈を相伝しなければならぬと規定した。この伝法制度により,僧侶資格を同一形式で統一することができ,独立教団として発展していく基礎が固まった。…
…各宗ともに伝法儀式において,僧侶の伝法に俗人を結縁させることがあるのは,日本仏教の特色である。浄土教系の宗派では融通念仏宗に伝法があり,これに準じた浄土宗の伝法を五重相伝といっている。浄土宗ではこれに加行を課する。…
※「五重相伝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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