デジタル大辞泉
「人身供犠」の意味・読み・例文・類語
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出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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人身供犠
じんしんくぎ
human sacrifice
人身御供ともいう。祭祀における犠牲の一形式で,人間の命を神に捧げること。世界中にみられる儀式であるが,方法,目的はさまざまである。秘儀的に定められた王 (農作物の神の受肉化とみなされていた) が,その活動力の減退により,大地の繁殖力に対する影響力を失ったと考えられたとき,王自身を犠牲とすることが多い。また,ときには,その代理人が一定期間,神聖な地位についたあとに殺されることもある。アフリカでは豊作の祈願と葬儀において広く行われていたし,メキシコでは太陽神に対して人間が犠牲とされた。また,ペルーやインカ,エジプト,メソポタミア,パレスチナ,イラン,インド,中国,ギリシア,ローマなど古代文明の発祥地ではたいてい行われていたことが知られている。日本でも人柱の伝説があり,現在も各地の神社に人身供犠が行われていたことを示す祭式が残っている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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人身供犠【じんしんくぎ】
人身御供(ひとみごくう)とも。神の怒りをしずめるために人間を犠牲に供すること。古代オリエント,インド,メキシコ,中国などで行われ,日本でも各地に神への人身御供を示す伝説がある。神といっても正体は狒狒(ひひ)や大蛇で,高僧や豪傑が退治したことになっている。また建築土木を固めるため人柱と称して生きた人を埋める説話は世界中に分布し,仁徳天皇が夢告によって選んだ河内国茨田堤(まんだのつつみ)の人柱,袴(はかま)につぎはぎのある通行人を沈めた摂津国長柄(ながら)橋の人柱は有名。
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出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の人身供犠の言及
【殺人】より
… 〈王殺し〉に典型的に見られるように,部族社会で正当とみなされた殺人は,儀礼的殺人の形をとることが多い。中南米の古代王国では頻繁に人身供犠が行われ,南アフリカのポンド族の雨乞い儀礼も殺人を伴った。いけにえの頭骨に牛脂を塗って神聖なヘビへの供物にしたのである。…
【殉死】より
…したがって殉死としては,むしろ強制的あるいは半強制的な死,王侯の死に対しては臣下ないし奴隷が,夫の死に対しては妻が死ぬことを強要されるという意味での事例が問題になる。この場合,殉死と人身供犠との境界は往々にして曖昧なものとなる。殉死は言葉の本来の意味での犠牲の一種と考えられる。…
【人柱】より
…文化のレベルからいうと,採集狩猟民のところではきわめてまれであり,未開農耕民においては散発するが,国家や都市をもつ伝統的な高文化社会にことに濃密に分布している。これは人身供犠一般の分布状態とも一致している。 アジアでは,たとえば朝鮮の李朝の中宗王23年(1528)に慶尚道尚州において,住人成同の隣家の子どもたちが突然失踪する事件があった。…
※「人身供犠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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