代(漢字)

普及版 字通 「代(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

[字音] ダイ・タイ
[字訓] かわる・よ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は弋(よく)。代に古く(とく)の声があり、(職)部の韻に入ることが多い。〔説文〕八上に「(かは)るなり」と更代の意とし、心部の字条十下に「るなり」とあって同訓。代・の字の従う弋は、おそらくもと(しゆく)に作る字で、は戚(まさかり)の初文。その(戚)を呪器として、更改の呪儀を行うことを代といい、というのであろう。ゆえにともに更改の意がある。更改の意をもつ(更)・改・變(変)は、すべてその呪的な方法を示す字で、みな攴(ぼく)に従い、その呪器を殴(う)つ意を示す。改のような呪儀も同じ。代は(戚)による呪儀で、これによって禍殃を改め、他に転移させることができた。そのように代替することから、代理・更代の意となる。世代の義も、更代からの引伸義であろう。

[訓義]
1. かわる、いれかわる。
2. かわるがわる、みがわり。
3. 世代がかわる、よ。

[古辞書の訓]
名義抄〕代 ヨ・ヨヨ・カフ・カハル・カハルカハル・シロ/代々 ヨヨ/代 カハルカハル

[声系]
〔説文〕に代声として岱・の二字を収める。(とく)十下は「常を失ふなり」とあり、と声義の同じ字である。

[語系]
代dk、遞(逓)dyekは声近く、逓次交替の意がある。(迭)dyetも声近く、その義に用いる。代は戚、遞は虎皮、失は巫女エクスタシーの状態で舞う形。みな呪的な転移の方法に関する要素を含む字である。

[熟語]
代価代換・代間代匱・代語・代工・代行・代興・代耕・代講代哭・代子・代死・代謝・代舎代序代叙代償・代奏・代替代代代田・代馬代筆代弁・代面代輸代用・代労
[下接語]
異代・一代・永代・易代・奕代・希代・今代・近代・現代・古代・交代・更代・後代・曠代・時代・重代・初代・承代・昭代・上代・世代・聖代・盛代・絶代・千代・先代前代・当代・同代・年代・万代末代・明代・累代・歴代・列代

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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