デジタル大辞泉
「代物」の意味・読み・例文・類語
しろ‐もの【代物】
1 売買する品物。商品。
2 人や物を、価値を認めたり、あるいは卑しめたり皮肉ったりするなど、評価をまじえていう語。「めったにない代物」「とんだ代物をつかまされた」「あれで懲りないなんて、大した代物だ」
3 《売り物になる意から》遊女。また、年ごろの美しい娘。
「ときに、ここにゃあ―はなしかの」〈滑・膝栗毛・二〉
4 売り買いしたときの代金。転じて、金銭。だいもつ。
「なに―のことか。面目ないが、懐中にはびた一銭おりない」〈黄・見徳一炊夢〉
[類語]売り物・商品・売品・非売品・品・製品・商い物
だい‐もつ【代物】
1 かわりの品物。
2 品物の代金。代価。転じて、金銭。
「道具の―はいただきましたが」〈滑・膝栗毛・七〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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しろ‐もの【代物】
- 〘 名詞 〙
- ① 売買する品物。金銭に換えることのできる品物。商品。また、金銭に代わる品物。質ぐさ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- [初出の実例]「又金がない時には、質といふ物を置ねばならぬ。〈略〉代物(シロもの)を持て行と」(出典:浄瑠璃・伽羅先代萩(1785)一)
- ② ( ①から転じて、金銭で売買されるもの、また売りものになるものという意から ) 遊女。また、年ごろの美しい女。
- [初出の実例]「祇園か島原へやらば、黄な物たんとに成る代物(シロもの)と」(出典:浮世草子・世間妾形気(1767)四)
- ③ 話や遊びなどのための材料。たね。
- [初出の実例]「三絃(さみせん)をかぢる客は人さし指の爪のかけたまで見てくれのしろものにし」(出典:談義本・つれづれ睟か川(1783)五)
- ④ 人をばかにしたり、卑しめたりしていう語。あほう。ばかもの。やつ。
- [初出の実例]「金銀の威勢を鼻の先へ出して、権柄に詈るほど阿房(シロモノ)とはみゆれ」(出典:談義本・つれづれ睟か川(1783)一)
- ⑤ 商品などを売ったり、買ったりするときの代金。転じて、単なる金銭。だいもつ。
- [初出の実例]「この代物を確かに届け申せと仰せ候程に、これまで持ちて参りて候」(出典:大観本謡曲・桜川(1430頃))
- ⑥ 話題や問題となっている物事。その評価を問題とするときに用いる。
- [初出の実例]「どうやら舎利は、〈略〉ダイヤモンドとえらぶところのないようなシロモノらしいのだ」(出典:小説平家(1965‐67)〈花田清輝〉四)
- ⑦ 盗品、男根、女陰などを婉曲にいう語。例のもの。
- [初出の実例]「ハテあいつがしろものがてうど馬の」(出典:滑稽本・楽屋方言(1804)四)
だい‐もつ【代物】
- 〘 名詞 〙
- ① かわりのもの。代理の品。
- [初出の実例]「五位已上進二義倉一輩、或狎レ法不レ進、或僅進二代物一」(出典:類聚三代格‐一四・大同四年(809)四月三〇日)
- [その他の文献]〔日葡辞書(1603‐04)〕
- ② 代金。代価。しろもの。だいぶつ。
- [初出の実例]「土佐所へ下絵代物遣候了」(出典:言継卿記‐大永七年(1527)八月二四日)
- ③ 銭(ぜに)。
- [初出の実例]「代物、一座、三・二千疋づつなり」(出典:申楽談儀(1430)補遺)
かわり‐ものかはり‥【代物】
- 〘 名詞 〙 代わりとなる品物。代用品。
- [初出の実例]「代り物がなければいかぬと思ひ、〈略〉瓦の不動様を中へ押込み」(出典:怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉一二)
だい‐ぶつ【代物】
- 〘 名詞 〙 その品物のかわりの物。代品。代価。しろもの。だいもつ。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の代物の言及
【御倉】より
…諸方よりの献上品と思われるこれらの品は,返礼用として利用されるばかりでなく,仏事などの費用として売却されることもあった。これが代物と呼ばれるもので,これも御倉が管理するものであった。幕府と御倉との交渉は文書で行われる。…
※「代物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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