仮観(読み)けかん

精選版 日本国語大辞典 「仮観」の意味・読み・例文・類語

け‐かん‥クヮン【仮観】

  1. 〘 名詞 〙 仏語
  2. 天台宗で説く空・仮・中の三観の一つ。すべての存在を空と観じた、その上に立って、すべてがあると観ずるもの。ただし天台円教の立場はこれを空・中の二観と同一視し、別視しない。〔摩訶止観‐三〕
  3. 真宗で説く真・仮の二観の一つ。正しい阿彌陀仏観想として観経に説く前十三観を当て、このうち第九観を真観とするのに対して、他の十二をいう。
    1. [初出の実例]「又復就正観仏、復有二種、一直観、二仮観」(出典愚禿鈔(1255)下)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仮観」の意味・わかりやすい解説

仮観
けかん

仏教では,あらゆる存在や事象には実体はありえず,空であると説くが,世俗的な相対的立場からは,それらは存在するものとして肯定的にとらえられる。その肯定的にとらえる観想法をいう。特に天台宗で説く。 (→一心三観 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android