佐久島村(読み)さくしまむら

日本歴史地名大系 「佐久島村」の解説

佐久島村
さくしまむら

[現在地名]一色町佐久島

現一色町の陸から南七キロに浮ぶ三河湾最大の島。面積一・七平方キロ。作島・佐久島・析島とも記す。おお島・弁天べんてん島の二島が付属する。「三河国二葉松」に「佐久島、三囲三島ノ一也、参河ニ属ス、東南ニ小嶋アリ、竹木繁茂シタル中ニ弁天ノ祠アリ、三州三弁天ト云、弘法大師彫刻ノ霊像三弁天ノ第一也、雌亀嶋、雄亀嶋、其外寺院多シ」と記す。

第三紀中新世に海中で堆積した島とみられ、島の各所より二五〇〇万年前と推定される貝の化石が多数採集されている。村名の由来は、崇神天皇の御代五十鈴いすず河のほとりに大神を移し奉ったとき、その斎宮の郷に佐久彦命という人がおり、この地に来住して農業を始めたことから佐久島と命名したという(佐久島旧記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報