佐和田村(読み)さーたむら

日本歴史地名大系 「佐和田村」の解説

佐和田村
さーたむら

[現在地名]伊良部町佐和田さわだ

伊良部島の北西部に位置し、南は長浜ながはま村。村域は南西下地すむず島を含む。当地の祭祀嵩原たきぴら御嶽(通称佐和田ユークイ)が中心で、佐和田元島近くにあり、プーなどの祭祀が行われている(平良市史)雍正旧記に嵩平御嶽とあり、祭神は「大世主豊見や」で、奄美沖永良部おきのえらぶ(現鹿児島県大島郡)の神が伊良部島に渡り、嵩平山の氏神になったと記されている。また当村の北海岸にある黒浜つふうぱま御嶽は、子孫繁盛と航海安全の神としてあがめられている。正保国絵図に佐和田・長浜両村の付近に「にし村」が記されており、これが佐和田・長浜両村の前身と考えられる。両島絵図帳に「にし村」とあり、高一九石余で、現在この村はないと注記されている。いったん廃村になり、新たに佐和田村として再建されたのであろう。下地島のとおり池近くにあったキドマリ(木泊村)の人々が佐和田・長浜の祖先という伝承もある。伊安氏正統家譜によれば、五世方至(正徳年間生れ、嘉靖年間伊良部文子となる)の妹が喜屋泊与人の妻となっているが、喜屋泊は木泊と思われる。古琉球末期、木泊村は津波により壊滅したといわれ、遺跡が残る。現前里添まえざとそえの域内に佐和田元島さーたむとうずま遺跡も確認されているが、遺跡の年代は不明。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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