偶(漢字)

普及版 字通 「偶(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

[字音] グウ・グ
[字訓] ひとかた・でく・ならぶ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は禺(ぐ)。禺は然(ぎょうぜん)たる姿の神像を示す字。そのような形の人かたを偶といい、偶像という。〔説文〕八上に「桐人なり」とあり、桐木人ともいう。〔史記、孟嘗君伝〕に木偶人・土偶人の語があり、土偶をも用いた。また俑という。副葬に用いる偶人は多く相排次するので、相人偶する意となる。

[訓義]
1. ひとかた、でく、木偶、土偶、副葬に用いる。
2. ならぶ、そろう。
3. 二つずつならべる、偶数
4. あう、かなう、ゆきわたる。
5. 遇と通じ、たまたま、たまさか。

[古辞書の訓]
和名抄〕偶人 俗に比度加太(ひとかた)と云ふ 〔名義抄〕偶 タマサカ・タマタマ・タグヒ・トモ・トモカラ・アフ・ヒトコロフ・ヒトコロヘリ 〔字鏡集〕偶 ヨリ・ヒトトコロ・ワツカ・タマタマ・ヒトシ・トモガラ・オノヅカラ・アフ・タグヒ・フタリ・ナラブ

[語系]
偶・ngoは同声。は〔玉〕に「二耜なり」とあり、耜(すき)を並べて耕す意。二人を一偶とする。(遇)ngioはその動詞的な用法で、相遇うことをいう。

[熟語]
偶景偶詠・偶会偶戯偶遇・偶語偶耕・偶合・偶婚偶坐・偶作・偶視偶爾・偶処・偶人・偶数・偶成・偶然・偶像・偶俗偶属・偶対・偶題偶適・偶年偶配・偶匹・偶筆・偶物偶儷
[下接語]
佳偶・寡偶・諧偶・奇偶・仇偶・好偶・合偶・坐偶・人偶・成偶・隻偶・相偶・対偶・土偶・配偶・伴偶・非偶・匹偶・不偶・凡偶・木偶・良偶・連偶

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報