僧坊(読み)ソウボウ

デジタル大辞泉 「僧坊」の意味・読み・例文・類語

そう‐ぼう〔‐バウ〕【僧坊/僧房】

寺院内にある、僧の起居する建物
[類語]禅室

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精選版 日本国語大辞典 「僧坊」の意味・読み・例文・類語

そう‐ぼう‥バウ【僧坊・僧房】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 僧たちが止住し起居する寺院内の家屋僧尼の宿所。坊舎
    1. [初出の実例]「僧房肆口、一口長十七丈五尺広三丈八尺」(出典:法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747)二月一一日)
    2. 「まづそうばうにおりゐて、みいだしたれば」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
    3. [その他の文献]〔法華経‐分別功徳品〕〔晉書‐鳩摩羅什伝〕
  3. 戒律を専門とする道場。河内野中寺和泉の神鳳寺、山城西明寺を三僧坊という。
  4. キリスト教会で、僧尼が住む独居室。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「僧坊」の意味・わかりやすい解説

僧坊
そうぼう

僧尼が居住する寺院付属の坊舎のこと。僧房とも書く。南都仏教では、金堂(こんどう)、講堂などとともに、僧坊は七堂伽藍(がらん)の一つに数えられる。禅宗僧堂に相当する。また、戒律を専門とする寺院の呼称としても用いられる。河内(かわち)(大阪府)の野中寺(やちゅうじ)、泉州(大阪府)の神鳳寺(しんほうじ)、山城(やましろ)(京都府)の西明寺(さいみょうじ)は、とくに三僧坊とよばれた。

[阿部慈園]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「僧坊」の意味・わかりやすい解説

僧坊
そうぼう

僧や尼僧が生活する宿舎。僧房ともいう。日本では河内 (大阪) の野中寺,泉州 (大阪) の神鳳寺,山城 (京都) の西明寺の三僧坊が有名。

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世界大百科事典(旧版)内の僧坊の言及

【長屋】より

…一つの敷地に建てられた建物に一世帯が住んでいる〈独立住宅〉に対して,複数の世帯が一つの建物に住む住居形態を〈集合住宅〉と呼ぶが,長屋は江戸時代以前におけるその一般的な形態である。 日本では長屋は古くからさまざまな形で存在し,奈良時代の寺院の僧の住居であった僧坊も長屋形式である。奈良元興寺の僧坊が古材などから復原されており,その住房の1単位は間口7m弱,奥行13m弱のかなり大きなものである。…

※「僧坊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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