六訂版 家庭医学大全科 「先天性内反足」の解説
先天性内反足
せんてんせいないはんそく
Congenital clubfoot
(子どもの病気)
どんな病気か
片足または両足が出生時、すでに固く内反した(内側に反った)状態で、内転、
原因は何か
原因として多くの遺伝的因子が関与していると推定されますが、骨、筋、
症状の現れ方
美容上の問題のみでなく、放置すると
検査と診断
まず足を
検査と診断
出生後できるだけ早く治療を開始します。初期治療として、多くの場合、矯正ギプスが用いられます。この場合、整形外科専門医が手で骨の配列を矯正し、この矯正位を保つよう、膝上から足先までギプスを巻きます。乳児期から幼児期にかけての治療は重症度により異なり、症例によって装具療法(デニス・ブラウン装具など)や手術(種々の軟部組織開離術)が使い分けられます。手による矯正のみで手術なしに治癒する症例は15%ほどといわれます。
病気に気づいたらどうする
水口 雅
先天性内反足
せんてんせいないはんそく
Congenital clubfoot
(運動器系の病気(外傷を含む))
どんな病気か
足(足首から先)が、内反、
原因は何か
足部の骨格の形態異常、胎内での足の回旋異常、神経麻痺などの説があります。
症状の現れ方
内反、内転、尖足の3要素からなる変形がみられます。
内反とは内側に捻れた状態ですが、正確には、後方から見て
重症内反足で未治療の場合では、起立時に足底で接地できず、足が裏返って甲で接地して歩行することになります。
検査と診断
生後間もない赤ちゃんは、力を抜いた状態だと外観的に内反の形を示しますが、通常の力で中間の位置まで簡単に戻ります。しかし、先天性内反足では変形が硬く、通常の力で戻そうとしても中間の位置まで戻りません。
骨の形の詳細、変形の程度を判定するためにX線検査が行われます。
治療の方法
発見後、生後間もなくからギプス矯正が繰り返し行われ、軽症の場合は改善できます。しかしギプス療法でも治らない場合も多く、時に手術療法が必要になる場合もあります。
病気に気づいたらどうする
治療には高度の専門的知識と技術をもった整形外科医への受診が必要です。
奥住 成晴
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報