公平(読み)コウヘイ

デジタル大辞泉 「公平」の意味・読み・例文・類語

こう‐へい【公平】

[名・形動]すべてのものを同じように扱うこと。判断処理などが、かたよっていないこと。また、そのさま。「公平を期する」「公平判定
[派生]こうへいさ[名]
[用法]公平・公正――「商売利益を公平(公正)に分配する」「評価の公平(公正)を心がける」のように、平等に扱うの意では相通じて用いられる。◇「公平」は「おやつのお菓子を公平に分ける」「公平無私」など、物事を偏らないようにすることに重点があるのに対し、「公正」は「公正な商取引を目指す」のように、不正・ごまかしがないことを主にいう。◇「受験チャンスは公平に与えられる」では「公平」が適切であり、「行政は常に公正でなくてはならない」では「公正」が適切である。◇類似の語「公明」は「公明選挙」など、多く公的な立場について用いられる。
[類語]平等公正公平無私

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精選版 日本国語大辞典 「公平」の意味・読み・例文・類語

く‐びょう‥ビャウ【公平・公并】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) ( 「くひょう」「ぐひょう」とも。「く」は「公」の呉音、「びょう」は「平」「并」の呉音 ) 平等で、かたよらないこと。えこひいきや不正がないこと。また、そのようなさま。こうへい。
    1. [初出の実例]「勅曰、卿等情存公平。率先百寮」(出典続日本紀‐和銅元年(708)七月己巳)
    2. 「公平 クヒャウ」(出典:色葉字類抄(1177‐81))
    3. 「公平 クビャウナリ」(出典:文明本節用集(室町中))
  3. 年貢のこと。
    1. [初出の実例]「領家御事、於于事疎略、可計公平事」(出典:薩藩旧記‐建治三年(1277)七月日・平弘純起請文案)

こう‐へい【公平】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 判断や行動が公正でかたよっていないこと。特定の人のえこひいきをしないこと。また、そのさま。くびょう。
    1. [初出の実例]「先哲有言曰、徳無報、言無酬。宜田十町以報忠効、公施政公平、嘉声日益」(出典:家伝(760頃)下)
    2. 「日本国米利堅合衆国修好通商条約〈略〉第二条〈略〉公平なる友睦の取計あるべし」(出典:幕末御触書集成‐一・安政五年(1858)六月一九日)

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普及版 字通 「公平」の読み・字形・画数・意味

【公平】こうへい

公正で平等。〔管子、明法解〕是の故に尺寸の度は、富貴衆強と雖も、爲に長せず、辱と雖も爲に損短せず、にしてする無し。故に姦詐の人も、つ能はざるなり。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「公平」の解説

公平
(通称)
きんぴら

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
公平六条通ひ
初演
元禄13.11(江戸・中村座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の公平の言及

【荘園】より

… しかしこうした請負代官は恣意的な雑事を百姓に課し,利銭をきびしく取り立てるなど収奪を強行することが多く,鎌倉後期以降,これを糾弾する平民百姓たちが下級荘官までまきこんで一揆・逃散し,その罷免を要求して強訴したり,損免を要求して一歩も引かぬ姿勢を示すこともしばしばおこった。年貢・公事が公平(くびよう)とよばれるようになるのもこのころのことである。東国や九州にもそれは確認できるが,とくに畿内周辺を中心とする西国ではこうした動きが顕著で,その中で名主たちを中心に荘内の寺社を精神的支柱とする惣荘(そうしよう),惣郷,惣百姓などの自治的な村落組織が姿を現してくる()。…

※「公平」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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