デジタル大辞泉
「内外」の意味・読み・例文・類語
うち‐そと【内外】
1 内部と外部。ないがい。「家の内外を掃除する」
2 数量がほぼその程度であること。
「五十年の―何して暮せばとて」〈浮・永代蔵・四〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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うち‐と【内外】
- 〘 名詞 〙
- ① 内側と外側。内部と外部。奥向きと表向き。私的と公的。うちほか。ないがい。
- [初出の実例]「うちとなる人の心ども、物におそはるるやうにて、あひ戦はん心もなかりけり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- 「兵衛佐の館へむかふ。内外(うちと)に侍(さぶらひ)あり」(出典:平家物語(13C前)八)
- ② ( ━する ) 許されて奥向きに出入りすること。
- [初出の実例]「御方々に皆内外し給へるうちにも」(出典:栄花物語(1028‐92頃)もとのしづく)
- ③ 「うちと(内外)の宮」の略。
- [初出の実例]「かたそぎの千木は内外にかはれどもちかひは同じいせの神風〈度会朝棟〉」(出典:風雅和歌集(1346‐49頃)神祇・二一二二)
- ④ 仏教と儒教。
- [初出の実例]「内外(ト)の道を見給ふるに、心は恩の為に仕はれ」(出典:観智院本三宝絵(984)序)
- ⑤ あるものごとの前後。その近く。付近。多く数量的なものについて用いられる。ないがい。
- [初出の実例]「三町がうちとの物ははづさずつよう射けり」(出典:平家物語(13C前)一一)
- 「年もみな廿がうちとなり」(出典:たまきはる(1219))
- ⑥ ( 「と(外)」は軽く添えた語 ) 家の中。→うちと(内外)の者
ない‐げ【内外】
- 〘 名詞 〙 ( 「げ」は「外」の呉音 )
- ① =ないがい(内外)①
- [初出の実例]「八幡若宮へ参向す〈略〉内外(ナイゲ)に鳥居を立てたり」(出典:源平盛衰記(14C前)三三)
- ② 内向きと表向き。また、内心と外面。
- [初出の実例]「源左衛門尉渡とて一門なりけるが、内外(ナイゲ)に付けて申しければ」(出典:源平盛衰記(14C前)一九)
- ③ ( ━する ) 朝廷や貴人の家などに出入りすること。
- [初出の実例]「何か。かかる宮仕仕うまつる人には、内げをこそゆるし給はめ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上)
- ④ 内典と外典(げてん)。内教と外教(げきょう)。内外典。
- [初出の実例]「内外(ナイゲ)の御祈さまざまなりといへども」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)上)
- ⑤ 内位と外位(げい)。
- [初出の実例]「凡内外五位以上勅授」(出典:令義解(718)選叙)
- ⑥ 内官と外官(げかん)。
- [初出の実例]「凡任二内外文武官一」(出典:令義解(718)選叙)
ない‐がい‥グヮイ【内外】
- 〘 名詞 〙
- ① 内側と外側。内部に属するものと外部に属するもの。家や店の内のことと外のこと。国内と国外。うちと。ないげ。
- [初出の実例]「内外にたがはず、不思議なる歟」(出典:名語記(1275)五)
- 「わたくしなく内外(ナイグヮイ)ともに勤めければ」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)二)
- [その他の文献]〔春秋左伝‐襄公三一年〕
- ② 数量、時間などを表わす語に付いて、それに近いことを示す語。ぐらい。そこそこ。前後。
- [初出の実例]「今の参議殿や卿大輔殿も、十年前までは百斤内外の符徴なりしが」(出典:明治の光(1875)〈石井富太郎編〉二)
うち‐そと【内外】
- 〘 名詞 〙
- ① うちとそと。内部と外部。うちと。ないがい。
- [初出の実例]「内外(ウチソト)のとりさばき世上のそしりを思ふ事なく」(出典:浮世草子・人倫糸屑(1688)妾揚)
- 「御存(ごぞんじ)下ださいます通り家の内外(ウチソト)、忙しいもンですから」(出典:火の柱(1904)〈木下尚江〉五)
- ② だいたいの程度を表わす語。前後。ないがい。
- [初出の実例]「惣領の男子さへ十歳のうちそとにて」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品三三)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「内外」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の内外の言及
【朝鮮】より
…その場合は舎廊棟(男の空間)は大門(外部)に近い方に,内棟(女子供の空間)はその後方に配置される。このようにして家の中ですら男女を隔離し,特に家族以外の男女の接触を避けることを〈内外(naewoe)する〉という。〈女は自分の故郷の市の立つ日を知らないほど良い〉ということわざもある。…
※「内外」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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