円明寺
えんみようじ
[現在地名]弘前市新寺町
新寺町寺院街にあり、法立寺の東隣、県道桔梗野線が境内東側を通る。法涼山と号し、真宗大谷派。本尊は阿弥陀如来。もと東本願寺（現京都市下京区）末寺。
浄土真宗一派縁起（市立弘前図書館蔵）によれば、明応八年（一四九九）油川村（現青森市）に念西坊宗慶によって開基されたとある。六世念西坊頼英の時、天正一三年（一五八五）弘前藩祖大浦（津軽）為信の油川城攻撃に協力し、その功により油川村近辺で二四石の寺領を授けられた。
円明寺
えんみようじ
[現在地名]五日市町三宅
三宅山山王院と号し、高野山真言宗。本尊如意輪観音。弘法大師の開基と伝える。寺伝によれば、淳仁天皇から三宅山の山号を記した勅額を授けられた勅願寺で、平清盛からは七堂伽藍の建立と寺領一八町の寄進を受けたという。
「房顕覚書」大永三年（一五二三）の記事によれば、厳島社神主職の継承争いで大内方についた石道（石内）の小幡興行が佐東勢に追われて「三宅円明寺」に逃れ、切腹している。永禄九年（一五六六）と推定される一一月一八日付の毛利輝元書状（「閥閲録」所収内藤次郎左衛門家文書）に「円明寺普請申付之由候条」とあるのは当寺のことと考えられる。寺伝によれば、天正一五年（一五八七）の火災で堂宇をことごとく焼失したが、毛利氏により慶長三年（一五九八）に再建された。
円明寺
えんみようじ
[現在地名]福井市殿下町
殿下の西部にある。円教山と号し、真宗大谷派。本尊阿弥陀如来。天正一九年（一五九一）の本覚寺末寺帳（本願寺文書）に「殿下三人」とあり、その一人が当寺の住僧であったと考えられる。他の二者は近世初期に殿下村から移転した和田中村浄尊寺（現福井市）と福井城下の慶福寺で、いずれも真宗大谷派である。貞享三年（一六八六）の殿下村除地改（円明寺記録）に「一、畠七畝円明寺屋敷地 一、畠七畝廿八歩教福寺持分 一、畠三畝拾四歩浄尊寺持分」とあるが、これによって慶長三年（一五九八）の検地の際、三つの道場屋敷が除地となったことがうかがえる。
円明寺
えんみようじ
[現在地名]大原町古町
古町の北部、吉野川右岸にある。高野山真言宗、仏頂山と号し、本尊は行基作という薬師如来。「東作誌」によれば八幡山と号し、本寺は紀州高野山金剛峯寺で、康安年中（一三六一―六二）山名氏により焼かれたという。文明一二年（一四八〇）宇野家貞により再興、同氏の菩提所とされた。津山藩主森忠政の娘松姫の墓といわれるものがあり、森氏からは年々米三石の寄進を受けた。
円明寺
えんみようじ
[現在地名]松山市和気町一丁目
松山平野の北西端、和気浜の南部集落のなかにあり、その南に国鉄予讃本線和気駅がある。須賀山正智院といい、真言宗智山派。本尊は阿弥陀如来。四国八十八ヵ所の五三番札所。
寺伝によると天平年間（七二九―七四九）の創建といい、初め勝岡にあって七堂伽藍が整備されたが、兵火のためいまの地に移った（円明寺由来記、予陽郡郷俚諺集）。その後、堂宇が荒廃したのを寛永一〇年（一六三三）に須賀専斎重久が私財を投じて復興したという（伊予温故録）。この時、重盛が中興第一世になった（新編温泉郡誌）。
円明寺
えんめいじ
[現在地名]利根町立木
蛟
神社西方に所在。南方の新利根川に寺下橋が架かる。長根山地蔵院と号し浄土宗。本尊阿弥陀如来。建長年間（一二四九―五六）に良栄が開いたと伝えられる。本堂は明治四年（一八七一）に雷火で焼失し、その後に現本堂が建てられたが、山門は江戸末期のもの。
円明寺
えんめいじ
[現在地名]檜山郡厚沢部町字美和
目名川左岸にある曹洞宗寺院。山号浄獲山、本尊釈迦如来。安永八年（一七七九）江差正覚院七世の智鏡が目名村の現在地に一庵を創建、円明庵と称したという（明治一二年「開拓使渡島国檜山郡末庵及仏堂明細帳」、「寺院沿革誌」）。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
円明(えんみょう)寺
愛媛県松山市の伊予和気駅近くにある寺院。真言宗智山派。山号は須賀山、院号は正智院。天平年間の創建と伝わる。本尊は阿弥陀如来。四国八十八ヶ所霊場第53番札所。
出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報
