凹む(読み)クボム

デジタル大辞泉 「凹む」の意味・読み・例文・類語

くぼ・む【凹む/×窪む】

[動マ五(四)]
周囲より低く落ち込む。へこむ。「目が―・む」「―・んだ土地
うずもれる。おちぶれる。零落する。
「我が君のあまねき御代の道つくり―・める身をも哀れとは見よ」〈新撰六帖・二〉
[動マ下二]くぼめる」の文語形
[類語]へこむ陥没引っ込む

へこ・む【凹む】

[動マ五(四)]
表面一部が周囲より低くなる。くぼむ。「やかんが―・む」
やりこめられて困る。へこたれる。「しかられて―・むような奴ではない」
ある基準より少なくなる。損をする。「マージャン一人だけ―・む」
[類語](1窪む陥没引っ込む

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「凹む」の意味・読み・例文・類語

へこ・む【凹】

  1. 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
  2. 物の表面が内部に落ちこむ。一部分が低くなる。くぼむ。
    1. [初出の実例]「お蔭で額のお出子がへこんだらう」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)二)
  3. ある基準より少なくなる。以下になる。
    1. [初出の実例]「動産不動産を合せて、十万より凹むことはなからうと云ふのであった」(出典:あらくれ(1915)〈徳田秋声〉一九)
  4. 量などが減る。損をする。欠損する。
    1. [初出の実例]「四百目といふ銀(かね)を何にするとて借ったぞ、喰ひ込んだかへこんだか」(出典浄瑠璃心中重井筒(1707)上)
  5. やりこめられて困惑する。困る。また、やりこめられて屈伏する。よわりくじける。へこたれる。
    1. [初出の実例]「中洲の気どりにて蘆の湯のあたりをたづねあるき、大きにへこむ」(出典:黄表紙・文武二道万石通(1788)下)
    2. 「『べらぼうめ、だまっ居(て)ろ』『アイ』トへこんで門口をさうぢしてゐる」(出典:滑稽本浮世床(1813‐23)初)

くぼ・む【凹・窪】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
    1. 中央部分が落ち込む。へこむ。くぼまる。
      1. [初出の実例]「是に海に沈み、水汚(クホ)みて溺れず〈真福寺本訓釈 汚 クホミテ〉」(出典:日本霊異記(810‐824)下)
    2. 埋もれる。しずむ。零落する。
      1. [初出の実例]「我君のあまねき御代の道つくりくぼめる身をも哀とはみよ〈藤原信実〉」(出典:新撰六帖題和歌(1244頃)二)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙くぼめる(凹)

へっこ・む【凹】

  1. 〘 自動詞 マ行五(四) 〙 「へこむ(凹)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「その次の山とのへっこんだ所」(出典:卍(1928‐30)〈谷崎潤一郎〉三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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