出口の柳(読み)デグチノヤナギ

デジタル大辞泉 「出口の柳」の意味・読み・例文・類語

でぐちのやなぎ【出口の柳】

地歌宇治加賀掾作の浄瑠璃一部をとって、宝永(1704~1711)ごろに初世杵屋長五郎が作曲狩野元信傾城けいせい遠山の伝説によっており、歌祭文うたざいもん曲節を取り入れている。

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精選版 日本国語大辞典 「出口の柳」の意味・読み・例文・類語

でぐちのやなぎ【出口の柳】

  1. 地歌の曲名。宇治加賀掾の浄瑠璃の一部。杵屋長五郎作曲。宝永(一七〇四‐一一)頃の作曲。京都島原遊郭の大門口の柳の意。遊女の恋と義理の辛さを主題としたもの。歌詞初め三味線の手に元祿期(一六八八‐一七〇四)に流行した歌祭文の影響がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「出口の柳」の意味・わかりやすい解説

出口の柳
でぐちのやなぎ

(1) 京都島原遊郭の出口の柳。本来は六条柳町の郭の出口の柳をいう。 (2) 地歌三弦の曲名。宇治加賀掾作詞,杵屋長五郎作曲と伝えられ,本来は京阪歌舞伎芝居で行われた芝居歌であったとの説もある。ただし,加賀掾の浄瑠璃の現存正本中にはみえず,近松門左衛門の『けいせい反魂香』に登場する傾城遠山のことを歌った「歌祭文」を詞章としている。本調子から二上りとなるが,そのあと本調子に戻る後編は省略されることが多い。替手および箏の手もある。

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