出居衆(読み)デイシュ

デジタル大辞泉 「出居衆」の意味・読み・例文・類語

でい‐しゅ〔でゐ‐〕【出居衆】

近世武家奉公商用などの出稼ぎのため、町方部屋借りをして暮らした人。
人宿の―になって…股引脚絆して出で」〈浮・諸国ばなし・五〉
近世、岡場所で、人に抱えられず自前で営業した芸妓娼妓
身抜けをして…自前―になってゐて」〈人・梅児誉美・初〉

でい‐し〔でゐ‐〕【出居衆】

でいしゅ」に同じ。
「自前―のわちきだけ」〈人・梅児誉美・後〉

でい‐しゅう〔でゐ‐〕【出居衆】

でいしゅ」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「出居衆」の意味・読み・例文・類語

でい‐しゅうでゐ‥【出居衆】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「でいしゅ」とも )
  2. 出居に居る者。
    1. [初出の実例]「今日、大納言家可進父祖代々奉公次第之旨、被含広御出居衆云々」(出典:吾妻鏡‐寛元三年(1245)正月二一日)
  3. 江戸時代、出稼ぎのため町方へ出て、部屋を借りて独立の生計を立てている者。多くは日傭取(ひようとり)などを営んでいるが、商家武家へ奉公する者をも含む。借家人と同様、家主の支配下にあった。でいし。また、転じて、いそうろうのこともいう。
    1. [初出の実例]「町中に人請に罷在候者之手前に、今程でい衆奉公人差置候はば、家主、五人組立合相改、今月中にでい衆壱人も不残払可申候」(出典:御触書寛保集成‐四〇・寛文六年(1666)一〇月)
    2. 「彼の人宿のでいしゅになって、あけの日もも引きゃはんして出、日暮れてかへる」(出典:浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)五)
  4. 江戸時代、営業の看板を借りて、客席に出た賃の歩合を自分のものにできた芸妓や芸人。自前の芸妓や芸人。でいし稼ぎ。でいし。
    1. [初出の実例]「出ゐしゅをかせぐ女郎にて耳のねから枕だこのはげた大どしま也」(出典:洒落本・玉之帳(1789‐1801頃)二)

でい‐しでゐ‥【出居衆】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「でいしゅ(出居衆)」の変化した語 ) =でいしゅう(出居衆)
    1. [初出の実例]「まんまと身のうへもちくづして、末はでいしのながれの身」(出典:洒落本・太平楽巻物(1782))

でい‐しゅでゐ‥【出居衆】

  1. 〘 名詞 〙でいしゅう(出居衆)

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