函丈(読み)カンジョウ

デジタル大辞泉 「函丈」の意味・読み・例文・類語

かん‐じょう〔‐ヂヤウ〕【×函丈】

《「礼記」曲礼上の「席の間丈ぢゃうる」から。師から1丈も離れて座る意》師または目上の人に出す書状脇付わきづけとする語。

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精選版 日本国語大辞典 「函丈」の意味・読み・例文・類語

かん‐じょう‥ヂャウ【函丈】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「礼記‐曲礼上」の「若非飲食之客則布席、席間函丈」から出た語。「函」は容(い)れるの意 )
  2. 師に対して、一丈ほども席の間をおいてすわること。また、その間隔
    1. [初出の実例]「函丈挹教者悉成宗匠」(出典:続日本紀‐養老三年(719)一一月乙卯)
    2. [その他の文献]〔崔日知‐冬日述懐奉呈韋・張名賢詩〕
  3. ( 転じて ) 師、先生をいう。また、先生や年長者などに贈る書状の宛名の後に添えて敬意を表わすのに用いる。
    1. [初出の実例]「摳衣披白日、函丈仰青雲」(出典:南海先生文集(1784)二・木恭靖公与謝子見臨恭次厳韻)
    2. [その他の文献]〔蘇軾‐与梁先舒煥泛舟得臨醸字詩〕
  4. 一丈四方。方丈
    1. [初出の実例]「在昔尚無招提、豈可復有函丈之室」(出典:東海一漚別集(1375頃)青山住建仁道旧疏)
  5. その寺の住持
    1. [初出の実例]「正貞侍者掛搭之事伺之。即伝命函丈」(出典:蔭凉軒日録‐永享七年(1435)一二月二三日)

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普及版 字通 「函丈」の読み・字形・画数・意味

【函丈】かんじよう(ぢやう)

師弟の席の間に、一丈の余地をとる。師長への手紙脇付に用いる。〔礼記、曲礼上〕(も)し飮の客に非ざれば、則ち席を布くに席を函(い)る。

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