刀折れ矢尽きる(読み)カタナオレヤツキル

デジタル大辞泉 「刀折れ矢尽きる」の意味・読み・例文・類語

かたな・きる

《「後漢書」段熲伝から》戦う手段をすっかり使い果たす。また、物事に立ち向かう手段がなくなる。弓折れ矢尽きる。「努力も空しく―・きて倒産した」

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精選版 日本国語大辞典 「刀折れ矢尽きる」の意味・読み・例文・類語

かたな【刀】 折(お)れ矢(や)(つ)きる

  1. 戦に敗れてさんざんな有様になる。転じて、物事に立ち向かう方策がまったくなくなる。弓折れ矢つきる。
    1. [初出の実例]「刀折れ矢(ヤ)(ツ)きても、一息吾に存する限りは、敵に凱歌は揚げさせぬ」(出典黒潮(1902‐05)〈徳富蘆花〉一)

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故事成語を知る辞典 「刀折れ矢尽きる」の解説

刀折れ矢尽きる

戦いに敗れてさんざんなありさまになることのたとえ。何かに立ち向かう方策がまったくなくなる場合にもいう。

[使用例] なにぶんにも刀折れ矢つきた状態では、それ以上、がんばるわけにいかない[宮沢俊義*憲法講話|1967]

[由来] 「後漢書だんけい伝」の一節から。二世紀半ば、後漢王朝の時代の中国の将軍、段熲は、ある日の明け方、異民族の軍隊から攻撃を受けました。段熲は馬から下りて戦い、正午ごろになると「刀折れ矢尽く(刀は折れて矢もなくなる)」という状態になりましたが、その奮戦ぶりに恐れをなして、異民族は引き上げていった、とのことです。

〔異形〕弓折れ矢つきる。

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