切物(読み)きれもの

精選版 日本国語大辞典 「切物」の意味・読み・例文・類語

きれ‐もの【切物】

〘名〙
① 物を切るのに用いる道具
※虎寛本狂言・空腕(室町末‐近世初)「さりながら、切れ物で斬れては痛ふないと云に依て、立て、もし二つに成らねば能(よ)いが
② よく切れる刃物。わざもの。
仮名草子智恵鑑(1660)一「二度も三度も筈(はづ)をあわせたる働あらんこそまことのきれ物にて」
③ 売切れの品物品切れのもの。また、不足がちの品物。品切れ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※虎明本狂言・柑子俵(室町末‐近世初)「当年はかうじがきれ物じゃほどによからふ」

きり‐もの【切物】

〘名〙
刀剣彫刻のこと。古刀期には、多くは刀匠や所有者の信仰から起こり、倶利迦羅(くりから)梵字(ぼんじ)蓮華(れんげ)、龍などが彫られた。のち単に装飾的となった。五箇伝では相州・山城伝などに多くみられる。
※刀剣目利書(1618)「宇の津の風情にして、いかにもこせりたるきり物あらば、宝寿と心を付べし」
ユズの皮など、刻んで汁に入れる薬味の類をいう。〔随筆貞丈雑記(1784頃)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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