ベルクソンの第三主要著作。1907年刊。発生論的見地からの知性論であると同時に生命論的宇宙論。知性は生の一所産にすぎず、生の全体を解明することはできない。目的論、機械論はともに偽りの包括的説明であり、宇宙は「生成の大洋」にして「予見不能」の「創造的進化力」に満ちている。中心、始原には「巨大な花火が炸裂(さくれつ)するように」「生の活力(エラン・ビタール)」が「絶えざる噴出を続け」ているはずで、地球上の諸生命体はその噴出力に対して物質のなしたもろもろの限定の所産にすぎず、植物では意識は「麻痺(まひ)」し、動物では創造力は「停滞」して再生力にとどまり、人間のみが創造力を保持しているが、しかし物質の限定を超えて始原の純粋創造力に合一するには至らない。個々の生命体との共感に生きる「芸術家的直観」がせいぜいで、「形而上(けいじじょう)学的直観」には「超人的」な認識力が不可欠であるとされる。
[中田光雄]
『真方敬道訳『創造的進化』(岩波文庫)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…自由とはそれゆえこの内的持続への帰一であり,その発出としての純粋自我の行為である。他方,物質界は一瞬前の過去を惰性的に反復するだけであるから,このような持続の弛緩の極といえ,その他の宇宙の万象は,緊張のもろもろの度合による多彩・多様な創造的進化の展開であり,緊張の極はエラン・ビタルélan vital,さらには一般人ならぬ天才・聖人らの特権的個人によって直観される持続としての神的実在である。そして倫理的・宗教的行為とは,カントのいう理性の律法による選択ではなく,かかる特権的個人の行為を通じて発出する神的エラン・ダムールélan d’amourによる地上的持続の方向づけとそれへの参与にある。…
※「創造的進化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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