勝光(読み)かつみつ

朝日日本歴史人物事典 「勝光」の解説

勝光

生年生没年不詳
室町末期の備前(岡山県)長船刀工。祐定と並び,室町末期の末備前と称される長船派の刀工を代表する。『蔭凉軒日録』に勝光,宗光一党60名が備前の豪族浦上家の命で近江国(滋賀県)に出陣作刀したと記されるように,同時代に修理亮,右京亮,彦兵衛,六郎次郎などを名乗るものがいて複数の同銘が存在するが,次郎左衛門尉勝光が作品が多く,技術も優れている。作品は片手で振れる60cmほどの打刀が多く,また鎧通しと呼ばれる重ねの厚い短刀両刃の短刀のような特殊な形状のものもあり,作風は丁字,互の目,湾れなどの乱れ刃のほか直刃もあって作域が広い。

(原田一敏)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「勝光」の解説

勝光 かつみつ

?-? 室町-戦国時代の刀工。
備前(岡山県)長船(おさふね)派。右京亮を称した。長享2年(1488)近江(おうみ)(滋賀県)攻めの足利義尚(よしひさ)にまねかれ,長船刀工団をひきいて近江鈎里(まがりさと)(現栗東町)に出陣作刀する。刀身約60cmの打刀に乱れ刃をやいた。同銘の刀工が数代つづく。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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