南北郷(読み)なんぼくごう

日本歴史地名大系 「南北郷」の解説

南北郷
なんぼくごう

郷域はあね川左岸の現びわ町川道かわみちより現長浜市平方ひらかたまで南北に長く広がっていたと考えられ、善学ぜんがく(現岐阜県安八郡神戸町)に残る大般若波羅蜜多経巻第七一の奥書に「江州浅井郡南北郷曾禰広厳寺 応安元年六月廿四日 奉書写畢 元仁」とある。また永享八年(一四三六)閏五月一〇日付の速水庄内島田注文(竹生島文書)には、速水はやみ(現湖北町)の竹生島神領三町が「南北郷内」にあったことが記されている。永享七年七月日の長浜八幡宮奉加帳(東浅井郡志)の「桟敷注文」に「南北郷政所殿」とみえる。康正元年(一四五五)一二月二七日、小串次郎左衛門尉成行が足利義政より「南北郷一円」の知行を「代々御判、御教書已下」の支証に任せて安堵されており(「御判御教書」南部文書)幕府奉公衆小串氏がこれ以前より当郷を知行していたことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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