取置く(読み)トリオク

デジタル大辞泉 「取置く」の意味・読み・例文・類語

とり‐お・く【取(り)置く】

[動カ五(四)]
取りのけておく。別にしておく。とっておく。「万一に備えて食料を―・く」
かたづける。始末する。
塗り籠めたる所に皆―・きつれば」〈堤・貝合
死体をかたづける。葬る。
「をのをの嘆きを止めて―・きける」〈浮・永代蔵・三〉
さしおく。やめる。
「私等が商売は―・くだやとぞ」〈浄・博多小女郎

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精選版 日本国語大辞典 「取置く」の意味・読み・例文・類語

とり‐お・く【取置】

  1. 〘 他動詞 カ行四段活用 〙
  2. 物などをしまっておく。とっておく。手もとにおく。
    1. [初出の実例]「狛錦紐の片へぞ床に落ちにける 明日の夜し来なむと云はば取置(とりおき)て待たむ」(出典:万葉集(8C後)一一・二三五六)
    2. 「それかくさせ給へと言へば、塗り籠めたる所に、みなとりおきつれば」(出典:堤中納言物語(11C中‐13C頃)貝あはせ)
  3. とりかたづけする。かたづける。始末をする。
    1. [初出の実例]「帯刀、御ゆするの調度などとりおきて」(出典:落窪物語(10C後)一)
  4. 死骸をとりかたづける。葬る。埋葬する。
    1. [初出の実例]「Pollinctura〈略〉シガイニ ユヲ アビセ toriuoqu(トリヲク) コトヲ ユウ」(出典:羅葡日辞書(1595))
    2. 「いそぎ死人を取をけと仰付させられ」(出典:浮世草子・本朝桜陰比事(1689)二)
  5. とって他におく。ひっこめる。やめる。
    1. [初出の実例]「大に驚て先づ攻めごとをとりをいて、与呂将軍倶に東するぞ」(出典:史記抄(1477)七)

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