デジタル大辞泉
「万一」の意味・読み・例文・類語
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まん‐いち【万一】
[1] 〘名〙
万分の一。万の中に一つ。また、ほとんどないが、ごくまれにあること。ばんいち。
まんいつ。まんがいち。まんのいち。
※
殿暦‐長治元年(1104)一一月一一日「触穢時被
レ行
二除目
一例万一事歟」
※雑俳・蓍萩(1735)「万一のため亀ほどな判を押」 〔
後漢書‐鄧隲伝〕
[2] 〘副〙 ひょっとして。もしや。もしも。まんがいち。まんのいち。
※
続日本紀‐天平宝字三年(759)三月庚寅「如不慮之表、万一有
レ変、何以応
レ卒」
※
浄瑠璃・源頼家源実朝鎌倉三代記(1781)二「万一
(まンいチ)途中で
我君に、凶事あらば何と召る」
ばん‐いち【万一】
〘名〙
① 万の中に一つ。ほとんどないが、まれにあるさま。副詞的に「ひょっとして」の意にも用いる。まんいち。〔
日葡辞書(1603‐04)〕
※浮雲(1887‐89)〈
二葉亭四迷〉三「万一
(バンイチ)に危む心から、暫く
差控てゐた」
② すべてのこと。万事。
※
洒落本・
辰巳婦言(1798)四つ明の部「おめへのやふにばんいちにあつくなんなすっちゃア」
※
滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「珍しくもねへ諠嘩を、万一
(バンイチ)に
持行でもねへから」
まん‐の‐いち【万一】
※
明衡往来(11C中か)下末「而久沈
二病枕
一。永絶
二飡飯
一。蘇生之憑已万之一也」
※
高野山文書‐元亨二年(1322)八月一〇日・僧勝玄田地質流券「但万之一、於
二此田地
一違乱違目出来事あらは可
レ返
二本直
一者也」
まん‐が‐いち【万一】
※
今昔(1120頃か)二〇「万が一にも、自然ら此
(かか)る事有也となむ語り伝へたるとや」
※俳諧・桜川(1674)夏一「万か一青葉にのこる花もがな〈
徳元〉」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「万一」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報