受太刀(読み)ウケダチ

デジタル大辞泉 「受太刀」の意味・読み・例文・類語

うけ‐だち【受(け)太刀】

切りかけられたとき、太刀で防ぐこと。また、その際の太刀。
切り合いで、相手に鋭く攻められ、守勢になること。
多く「受け太刀になる」の形で)議論会話などで相手の攻勢が激しくて受け身一方となること。「一方的にまくしたてられて受け太刀になる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「受太刀」の意味・読み・例文・類語

うけ‐だち【受太刀】

〘名〙
① 切りかけられたとき、太刀で防ぐこと。また、その際の太刀や太刀さばき。
※毛利家文書‐天文二三年カ(1554か)毛利隆元自筆覚書「賢より仕うけられ候て、請太刀にて取相候はんより」
剣攷(1811‐41頃か)清眼破「此対太刀(ウケだち)清眼にかまへたるは」
② (多く「になる」を伴い)
(イ) 切り合いで相手の攻勢に押されて、受身になること。はげしく攻めたてられ、たじたじとなること。
源平盛衰記(14C前)九「堂衆八人請太刀(ウケだち)に成て引けるを」
(ロ) 議論、会話などで、相手に押されがちになること。一方的に話の聞役になること。受身いっぽう。いいなり。
浮世草子好色一代女(1686)六「酒も身をよけて初心に飲て床も子細なく、男の請太刀(ウケタチ)ばかりして」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「つひにはお勢も成程と思ったか、少し受太刀になった」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報