名草浜(読み)なぐさのはま

精選版 日本国語大辞典 「名草浜」の意味・読み・例文・類語

なぐさ‐の‐はま【名草浜】

和歌山県和歌山市、紀三井寺前の海岸
長秋詠藻(1178)中「あまの刈るみるめを波にまがへつつなぐさのはまを尋ね侘びぬる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本歴史地名大系 「名草浜」の解説

名草浜
なくさのはま

名草山西麓に広がっていた浜。現在は砂浜は消滅している。文明一八年(一四八六)三月の「蓮如上人紀伊国紀行」によると、蓮如は名草山北麓の田尻たじり浜を通って北西麓三葛みかずら峠を越え、西南麓紀三井寺に行っており、現在内陸部にある田尻・三葛・紀三井寺きみいでらは、この時期海に面していたと思われる。「続風土記」は紀三井寺村西南の布引ぬのびき村の項に「此地古の名草浜の地にて(中略)其後御里と呼ひて戸数一千余もありしといふ」と記す。また、布引の南の毛見けみ浦の項では「古此地より北、紀三井寺・三葛の辺、都て名草ノ浜といふ、入海海浜なりしも、後世其ノ地皆村落鹵田となり、海は内川の如くなりて名草ノ浜といふへき形なし」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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