吹上(和歌山県)(読み)ふきあげ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「吹上(和歌山県)」の意味・わかりやすい解説

吹上(和歌山県)
ふきあげ

和歌山県北西部、和歌山市の一地区。和歌山城から南へ連なる古代浜堤(ひんてい)で、古くは吹上浜(ふきあげのはま)といい、『枕草子(まくらのそうし)』や『能因歌枕(のういんうたまくら)』などにもみえ、歌枕として知られた。『古今集』の「秋風吹上にたてる白菊は花かあらぬか波の寄するか」(菅原道真(すがわらのみちざね))などがある。熊野古道に沿い、都の人に知られたためである。紀ノ川による陸化が進んだ江戸期は、城下武家屋敷寺町が発達した。県立博物館、近代美術館があり、隣接する岡山の時鐘堂は県の史跡に指定されている。

[小池洋一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android