吹出(読み)ふきいず

精選版 日本国語大辞典 「吹出」の意味・読み・例文・類語

ふき‐い・ず ‥いづ【吹出】

[1] 〘自ダ下二〙
① 風が吹き始める。吹いてくる。
躬恒集(924頃)「をぎのはのふきいづる風にあききぬとひとにしらるるしるべなりける」
② 吹いて出てくる。わき出てくる。また、皮膚にでき物などが生じる。
有明の別(12C後)一「いなづまいたくして、いひしらぬかうばしきか、ふきいでたるに」
[2] 〘他ダ下二〙 笛などを吹き鳴らす。
源氏(1001‐14頃)総角「声々ふきいづる物の音ども」

ふき‐だし【吹出】

〘名〙
① 吹きだすこと。また、そのもの。
※俳諧・句兄弟(1694)中「松のはなしを有明の月 吹出しは鹿もうたがふ笛の声」
溶鉱炉の取出口から解けた地金が出ること。また、その地金。
※俳諧・西鶴五百韻(1679)何秤「ふき出しの銀見る目かぐ鼻〈西鶴〉 犬の声物静なる狐ふく〈西花〉」
漫画で、せりふを書くため、口から吹き出した形に曲線でかこった部分。

ふき‐で【吹出】

〘名〙 「ふきでもの(吹出物)」の略。
※俳諧・芭蕉庵小文庫(1696)「蓬生に恋をやめたる男ぶり〈芭蕉〉 湿(しつ)のふきでのかゆき南気〈山店〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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