呼ぶ(読み)ヨブ

デジタル大辞泉 「呼ぶ」の意味・読み・例文・類語

よ・ぶ【呼ぶ/喚ぶ】

[動バ五(四)]
相手に向かって声をあげて名前などを言う。「『おい』と―・ぶ」「―・んでも答えがない」
声をあげてこちらに来させる。「助けを―・ぶ」「食事だと母が―・んでいる」
客として招待する。まねく。「クラス会先生を―・ぶ」
呼び寄せる。来てもらう。「タクシーを―・ぶ」「医者を―・ぶ」「国元から親を―・ぶ」
名づけて言う。称する。「年上友人を兄と―・ぶ」
引き寄せる。集める。「人気を―・ぶ」「波乱を―・ぶ」
妻としてめとる。
「あなたこなたより―・べといふ者は」〈虎明狂・伊文字
[可能]よべる
[類語](1呼ばわる疾呼する呼び掛ける声を掛ける呼び立てる呼び上げる呼び掛ける呼び交わす点呼連呼/(3招く招待する招ずるしょうずる誘ういざなう誘い合わせる誘い出すおびき出す・誘い入れる・誘い込むおびき寄せる引き込む引き入れる引きずり込む引っ張り込む巻き込む抱き込む・誘いかける・呼びかける働きかける持ちかける勧誘誘引袖を引く口を掛ける声を掛ける水を向ける鎌を掛ける/(4呼び寄せる呼び付ける呼び出す召し出す呼び立てる差し招く召致する召喚する召集する招集する招致する招聘する・招請する・招来する(尊敬召す・お召しになる/(5言う称するとなえる呼称する称呼する名付ける

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「呼ぶ」の意味・読み・例文・類語

よ・ぶ【呼・喚】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 バ五(四) 〙 声がひびく。
    1. [初出の実例]「月よみの光を清み夕なぎに水手(かこ)の声欲妣(ヨビ)浦廻(うらみ)漕ぐかも」(出典:万葉集(8C後)一五・三六二二)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 バ五(四) 〙
    1. 声をあげて他人の名前などを口にする。
      1. [初出の実例]「相模嶺の小峯見かくし忘れ来る妹が名欲妣(ヨビ)て吾(あ)を哭(ね)し泣くな」(出典:万葉集(8C後)一四・三三六二)
    2. 名を…という。その者の名を…だとする。称する。
      1. [初出の実例]「唯塞上をのみ喚(ヨハ)ず」(出典:日本書紀(720)皇極元年四月(岩崎本平安中期訓))
      2. 「判官五位尉になられし時、五位になして、大夫黒とよばれし馬也」(出典:平家物語(13C前)一一)
    3. 声をかけたり、知らせを出したりして来させる。召し寄せる。
      1. [初出の実例]「高円(たかまと)秋野の上の朝霧に妻欲夫(ヨブ)壮鹿(をしか)出で立つらむか」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三一九)
    4. 招待する。招く。また、招いてごちそうする。供応する。
      1. [初出の実例]「ここかしこによばれ時めくにつけて、やすげもなし」(出典:枕草子(10C終)五)
    5. 妻として家に入れる。めとる。結婚する。
      1. [初出の実例]「いまだ女共をもたぬによって、あなたこなたより、よべといふものは、某がいやなり」(出典:虎明本狂言・伊文字(室町末‐近世初))
    6. ( 比喩的に ) 引き寄せる。「海苔(のり)湿気を呼びやすい」
      1. [初出の実例]「メイキュウ。ナク ハト〈略〉メイキュウ アメヲ yobu(ヨブ)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    7. 評判などを集める。誘う。
      1. [初出の実例]「今年一本拾円と云ふやうな高価を呼(ヨ)んだものも」(出典:東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉七月暦)
    8. 確認するように、声に出していう。言葉を発する。
      1. [初出の実例]「二郎は、『一 二 三』とよびながら、柿をなげたれば」(出典:尋常小学読本(1887)〈文部省〉一)

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