和爾坐赤坂比古神社(読み)わににいますあかさかひこじんじや

日本歴史地名大系 「和爾坐赤坂比古神社」の解説

和爾坐赤坂比古神社
わににいますあかさかひこじんじや

[現在地名]天理市和爾町 北垣内

奈良県天理市和爾町の集落北東部に鎮座。祭神阿田賀田須あだかたす命・市杵島比売いちきしまひめ命。旧村社。鎮座地和爾は古代豪族和爾氏の本拠地で、「日本書紀」神武天皇即位前紀己未年二月二〇日条の「和珥坂下」、同書崇神天皇一〇年九月九日条の「忌をもつて鎮坐う」とある和珥武坂上わにたけすきのさかのへの地にあたる。「延喜式」神名帳添上そえかみ郡に「和爾坐赤坂比古神社大、月次新嘗」がみえ、当社に比定される。赤坂比古は和珥坂わにさかの神のことか。天平二年(七三〇)の大倭国正税帳(正倉院文書)に「丸神戸」とあるのは赤坂比古神社のことと思われ、租稲一千六二束一把半のうち四束が神祭料にあてられている。大同元年(八〇六)の牒(新抄格勅符抄)には「和爾神四戸大和」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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