唐船奉行(読み)カラフネブギョウ

デジタル大辞泉 「唐船奉行」の意味・読み・例文・類語

からふね‐ぶぎょう〔‐ブギヤウ〕【唐船奉行】

室町幕府職名中国)・朝鮮琉球との通商貿易のことをつかさどった。唐奉行

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精選版 日本国語大辞典 「唐船奉行」の意味・読み・例文・類語

からふね‐ぶぎょう‥ブギャウ【唐船奉行】

  1. 〘 名詞 〙 室町幕府の職名。明、朝鮮、琉球などとの通交貿易に関する事務をつかさどった。唐奉行(からぶぎょう)。〔蔭凉軒日録‐寛正五年(1464)五月二八日〕

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改訂新版 世界大百科事典 「唐船奉行」の意味・わかりやすい解説

唐船奉行 (とうせんぶぎょう)

室町幕府の奉行の一つ。遣明使節派遣に関する事務や,明・琉球等の使節の受入れ,あるいは来航船およびその積荷の管理等を行った。1434年(永享6),明へ渡航した船の帰朝に際して飯尾貞連,為行が〈唐船方奉行〉に任じられてこの受入れを管掌したことが《満済准后日記》に見える。64年(寛正5)の遣明使節派遣に際しては飯尾元連が〈唐船奉行〉あるいは〈唐奉行〉と呼ばれてこれを管掌し,66年(文正1)の琉球船来航に際しては同じく元連が〈琉球之奉行〉としてその積荷を管理している。また同年の琉球使節3人の将軍引見は元連と飯尾之種が奉行している。おそらく1464年のときも合奉行がいたであろう。このほか唐船奉行等と明記されないが,1451年(宝徳3)には布施貞基,飯尾之種,同六郎,54年(享徳3)には飯尾貞元,同之清などが任ぜられていた。どうやら飯尾氏の独占的ポストであったらしい。
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