唐辛子(読み)トウガラシ

デジタル大辞泉 「唐辛子」の意味・読み・例文・類語

とう‐がらし〔タウ‐〕【唐辛子/唐芥子/蕃椒】

ナス科一年草。枝を多く出し、葉は長卵形。夏、葉の付け根に白色の5弁花をつける。実は細長く、初め緑色で秋に熟すと深紅色になる。ふつう果皮種子辛味が強く、香辛料薬用にする。南アメリカ原産。日本には16世紀に伝来南蛮船がもたらしたという。変種が多い。南蛮がらし。 秋 花=夏》「青くてもあるべきものを―/芭蕉
[類語]獅子唐辛子ピーマン芥子洋芥子和芥子七味唐辛子鷹の爪マスタードタバスコパプリカ

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精選版 日本国語大辞典 「唐辛子」の意味・読み・例文・類語

とう‐がらしタウ‥【唐辛子・唐芥子・蕃椒】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ナス科の一年草。南アメリカの熱帯地方の原産で、日本へは慶長年間(一五九六‐一六一五)に渡来し、畑に栽培され、品種が多い。高さ四五~七五センチメートル。葉は卵状披針形で長柄をもち対生する。夏、葉腋にナスに似て先が五裂した径一~一・五センチメートルの白色の合弁花をつける。果実は細長くくちばし状で、初め緑色で秋に深紅色に熟す。果実は刺激性の強い辛味があり、香辛料や食用として広く使われ、葉は葉とうがらしなどの煮物にされる。漢名、蕃椒・辣椒。そらみとうがらし。なんばんごしょう。こうらいごしょう。《 季語・秋 》

▼とうがらしの花《 季語・夏 》 〔俳諧・毛吹草(1638)〕

  1. 紋所の名。の実をかたどったもので、三つ唐辛子・龍胆唐辛子など、種類が多い。
    1. 三つ唐辛子@龍胆唐辛子
      三つ唐辛子@龍胆唐辛子
  2. 奴を卑しめていう語。奴が酒を飲むのに、よく唐辛子を肴にしたところからいう。
    1. [初出の実例]「すいさんなる蕃椒(トウガラシ)め」(出典浄瑠璃・蘆屋道満大内鑑(1734)四)
  3. 子どもの陰茎をいう。
    1. [初出の実例]「筒井づつそばに蜆ととうからし」(出典:雑俳・柳多留‐八四(1825))

唐辛子の語誌

トウキビ(唐黍)、トウナス唐茄子)などと同様に、旧来の辛子に対して、新しく渡来した辛子という意味で命名されたもの。他に、コウライゴショウ(高麗胡椒)、ナンバンゴショウ(南蛮胡椒)などの呼び名があり、いずれも近世前期から文献に見える。


とん‐がらし【唐辛子】

  1. 〘 名詞 〙 「とうがらし(唐辛子)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「雀の医者殿がとんがらし(〈注〉唐芥子)水のませやせまいし」(出典:洒落本・契情実之巻後編(1804)三)

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栄養・生化学辞典 「唐辛子」の解説

唐辛子

 ナス科の[Capsicum]属の果実を乾燥して粉末にしたもの.スパイスとして使われる.

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動植物名よみかた辞典 普及版 「唐辛子」の解説

唐辛子 (トウガラシ)

学名:Capsicum annuum
植物。ナス科の一年草,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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