家庭医学館 「喉頭けいれん」の解説
こうとうけいれん【喉頭けいれん Laryngeal Spasm】
一時的に両側の声帯(せいたい)が内転し、声門(せいもん)がけいれんして閉鎖し、呼吸ができなくなる病気で、喉頭の気道防御作用が過度に現われたものと考えられています。
[症状]
おとなは、声門の高度の狭窄(きょうさく)による吸気性喘鳴(ぜんめい)(息を吸うときのゼーゼーヒューヒューいう音)や陥没性呼吸(かんぼつせいこきゅう)(息を吸うときの胸のへこみ)、呼吸困難感などがおこります。
子どもでは、生後4か月ごろから2歳までにおこることが多く、重症の場合はチアノーゼや失禁(しっきん)、全身けいれんなどがみられることがあります。子どもの突然死の原因の1つになると考えられています。
[原因]
子どもは、くる病(「くる病(子どもの骨軟化症)」)やテタニーの部分症状のことがあります。
おとなは、神経質な性格などが素因となっておこることがあります。また、破傷風(はしょうふう)(「破傷風」)や尿毒症(にょうどくしょう)(「尿毒症」)などによっておこる一症状である場合もあると考えられています。
[治療]
発症直後は、頸部(けいぶ)を冷やすことが効果的とされています。また、カルシウム剤や精神安定剤の使用も有効とされています。