国連安保理決議242号(読み)こくれんあんぽりけつぎにひゃくよんじゅうにごう(英語表記)U.N. Security Council Resolution 242

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国連安保理決議242号」の意味・わかりやすい解説

国連安保理決議242号
こくれんあんぽりけつぎにひゃくよんじゅうにごう
U.N. Security Council Resolution 242

第3次中東戦争の戦後処理のため 1967年 11月 22日に国連安全保障理事会で採択された決議前文および本文4項から成り,前文では戦争による領土の取得を否認中東のすべての国家が安全に生存しうるような公正かつ永続的平和確保の必要性を強調している。最も重要な本文第1項では,占領地からのイスラエル軍の撤退と中東各国の主権領土保全,政治的独立,および安全かつ承認された国境内での平和に生存する権利の尊重と確認をうたっている。中東和平の基礎となるものとされてきたが,イスラエル軍が「全」占領地から撤退を求められているのかどうかが曖昧であり,またパレスチナ人処遇を「難民問題」として扱うにとどまり,パレスチナ人の民族的権利に触れていないところに難点がある。このためシリアは 73年まで,またパレスチナ解放機構 PLOは 88年まで受諾を拒んできたが,現在は中東紛争の全当事者が受諾し,中東和平交渉の基礎とされている。

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知恵蔵 「国連安保理決議242号」の解説

国連安保理決議242号

1967年の第3次中東戦争の処理原則を定めた決議で、イスラエルに占領地の返還を、アラブ側にイスラエルとの共存を求めている。ただイスラエルが撤退すべき占領地の範囲があいまいであり、しかもパレスチナ人に対して難民として言及しており、その民族自決権を正当に認めていないとの批判があった。しかし国際的には、この242号が中東和平の大枠であるとの認識が、広く共有されている。

(高橋和夫 放送大学助教授 / 2007年)

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