地図の縮尺(読み)ちずのしゅくしゃく(英語表記)map scale

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地図の縮尺」の意味・わかりやすい解説

地図の縮尺
ちずのしゅくしゃく
map scale

地上の2点間の距離とそれに対する地図上の長さとの比。単に縮尺またはスケールともいう。古くは梯尺といった。その表わし方は,分子を1とした分数による分数縮尺,地上の単位距離とそれに対応する地図上の長さを併記する化数縮尺,目盛り尺を表示する棒縮尺またはグラフスケールの3通りがある。縮尺の分類で,小縮尺,中縮尺,大縮尺というときは,分数縮尺の分母の大きいもの (すなわち分数として小さい数となる) を小縮尺という。これら3つの区分は相対的である。その地図について定めた縮尺を基準縮尺といい,地図上の地点ごとの縮尺を微分縮尺 (局地縮尺) という。地図投影のひずみによって,微分縮尺は基準縮尺と必ずしも一致しない。分数縮尺における基準縮尺の分母を微分縮尺の分母で割った値を縮尺係数 (距離のひずみ) という。面積の縮率は縮尺の2乗となるが,これを面積縮尺という。地球儀の縮尺はその半径を地球の半径で割った値に等しいものである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android