地層が何層にもわたって積み重なっているとき、地層全体が後の褶曲(しゅうきょく)などで逆転していない限り、上位の地層のほうが下位の地層よりも若いという地質学の根本法則。累重の法則ともいう。層序学、生層序学など、地球年代学の基礎となる学問はすべてこの法則に基づいている。
地層累重の法則はデンマークのステノによって、1669年に初めて明らかにされた。そのころには、まだ地層の重なり方や、地層の形成された順序・時代などについての概念がよく理解されておらず、この法則の発見以後、地層の層序という概念がはっきり理解されるようになった。このことにより、各地域で層序が明らかとなり、また互いに離れた地域での地層の層序を対比することが可能となった。その後、イギリスのW・スミスによって、同じ層準の地層からは同種の化石が産出することが明らかにされ、ひいては化石を利用して地層の対比が行われるに至った。このように、一見きわめて当然にみえる法則であるが、地質学の発展上与えた影響は大きい。
[村田明広]
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…第2の方法は,地表にあらわれた岩層について,岩層相互の関係を調べ,岩層が生成された順序に配列することにより,地球の歴史を刻んだ一連の岩層の重なりを復元することである。これには地層累重の法則と交叉切りの法則と呼ばれる,二つの地質学の経験法則が使われる。地層累重の法則とは,上位にあるものはあとで重なったという法則で,いろいろな場所で異なった地層の上下関係を知ると,より下位の地層ほどより古い地球の歴史を刻んでいることがわかる。…
…(1)堆積層は固まった基盤の上に形成される,(2)したがって下の基盤層は新規の堆積の始まる前に固結していなければならない,(3)一つの層は地表をすべて覆っているか,または他の層によって局限されて分布する,(4)一連の堆積が継続中はそこに水が存在して沈殿が行われるのであるから,その下にある地層は上のものより古い。このステノが観察したものが,地史学における基本的概念の一つといわれる〈地層累重の法則〉に発展する。18世紀になって,現代地質学が確立していくが,その間に貢献のあった2人を挙げるとJ.ハットンとW.スミスである。…
※「地層累重の法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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